7月9日の夕方「ブックファースト新宿店」ほか新宿駅周辺の書店に、白衣を着た男性2人が登場し、そのうちの1人、黒岩将さんの著書「出稼げば大富豪-貧乏博士課程の目指せ!金持ち修業日記」(KKロングセラーズ)を手にPRのため、ゲリラキャンペーンを行った。
黒岩さんは、奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)の博士課程に在籍する大学院生。2008年にITベンチャー企業「ホープフル・モンスター」(奈良県生駒市)を設立し、社長としての顔も持つが年商は29万円。
今回の著書を出版することになったのは、黒岩さんがバリで出会った日本人の大富豪、通称「兄貴」に衝撃を受けたため。再度バリに旅立つ前に数十社に企画書を送り、KKロングセラーズ(新宿区)の編集者の目に留まり出版が決定。同書は「兄貴」から学んだ24の成功理論を、イラストとともに読みやすい日記形式にまとめたもの。全350ページで、価格は1,680円。
同キャンペーンでは博士課程の学生だとわかるよう、オリジナルの白衣を着用。黒岩さんは「ぼくは著者です」と書かれた黄色いボードを首から下げ、相方であり取締役の武田康臣さんはビニール傘を使って手作りした同書の看板を持ち、人通りの激しい新宿の街を練り歩いた。「今まで日本各地の書店、144店舗を訪れゲリラキャンペーンを行ってきたが、こんなに人が多い場所は初めて」と武田さんは驚きを隠せない様子だった。
今回訪れた書店は「ブックファースト新宿ルミネ2」と「ブックファースト新宿店」。「新宿ルミネ2」では、入館時に厳重なチェックを受け行先が危ぶまれたが、偶然通りかかった同館の書店員に手製のポップと資料を手渡しアピールできた。「新宿店」の担当者からは「30冊中、売れたのは6冊。オリジナルのPOPはぜひ使いたい。頑張ってくださいね」と温かい声をかけられた。
黒岩さんは「新宿行脚は急きょ決まった。スケート場の中に投下されたマグマのような気持ちで、書店を巡っていきたい」と熱い思いを語った。
これまで訪れた土地は、奈良、大阪、神戸(兵庫)、名駅(愛知)、烏丸(京都)、山口、広島、金沢(石川)、松本(長野県)など。10日には町田に移動し、その後東京国際ブックフェア(江東区・今月9~12日)にも参加する。今年の9月上旬には2作目の発売も予定する。