新宿・K's cinema(新宿区新宿3,TEL 03-3352-2471)で12月8日より、映画「ニッポンの、みせものやさん」が公開される。
「見せ物小屋」とは、好奇心をそそり、驚かせる珍品や奇獣、曲芸などを見せる小屋のこと。室町時代に始まり、歌舞伎や人形浄瑠璃と共に京都の四条河原をにぎわせたという。全盛期の江戸後期には全国で300軒もあったが、2010年以降は「大寅興行社」1軒のみとなり、同一座の興行も、新宿の花園神社で行われる「酉(とり)の市」以外では1~2カ所でしか見られなくなったという。
同作品は、「大寅興行社」一座の暮らしや、その歴史を記録したドキュメンタリー映画。
監督は、「ソレイユのこどもたち」で山形国際ドキュメンタリー映画祭2011「アジア千波万波部門・特別賞」を受賞した奥谷洋一郎監督。2001年以来、10年以上続けてきた一座との交流の中で、同作品を制作したという。
監督は「初めて大寅興行社の一座に出会った時、私は何も知らない大学生で血縁をもとにした家族関係のことにしか考えが及ばなかった。大寅興行社では親方の家族と大寅興行社太夫の家族、犬や猿や大蛇などの動物が一緒になって暮らしている。商売の時だけではなく日常生活も一緒。大寅興行社の一座のような『みせものやさん』というなりわいが作り出す家族形態は、いまは失われつつあるものだと感じている」と話す。
チケット「蛇姫様の絵看板ポストカードつき前売り券」(1,300円)は、劇場で販売中。今年の花園神社「酉の市」は、今月8日と20日に行われる。