新宿発のミュージシャン「音更」、ソロで路上ライブを敢行

新宿の路上でライブを行うミュージシャン「音更」(C)mkyg

新宿の路上でライブを行うミュージシャン「音更」(C)mkyg

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 ミュージシャン「音更」は毎週末、新宿の路上でアコースティックギター1本を手に生演奏ライブを行っている。

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 「音更」は、Kentaさんと石井崇さんによるギターデュオが出発点。タッピング、スラッピング、ボディーヒットなどニューエイジの奏法を取り入れ、北海道・音更町の大自然からインスパイアされた世界観をギターで表現した楽曲が特徴。「歌モノやバンド編成ではなく、ギター2本だけの演奏のため、ライブハウスに売り込んでもなかなか出演できず、仕方なく」(Kentaさん)新宿など都内を中心に路上ライブを敢行、自主制作のCDを半年で2,000枚手売りするほど人気を得ている。ゴスペラーズの北山陽一さんも彼らを路上で見かけ、声をかけた1人だという。その後、インディーズレーベルからアルバム「butterfly effect +(バタフライエフェクトポジティブ)」(2004年)を発表し、音楽業界からも高い評価を受けたほか、現在でも楽曲はテレビ、ラジオの番組のBGMとして使用されている。

 新宿の路上ライブを見かけた訪日外国人旅行客からの誘いで、ニューヨークのライブフェスに出演したり、海外の街角でストリートライブを行ったことも。2005年にデュオ活動をいったん休止した後同年秋から、新宿の路上ライブを皮切りに、Kentaさんがソロで楽曲のメロディー、和音、リズムすべてをアコースティックギター1本で表現する新生「音更」として活動を再開している。

 昨年は国内のロックフェス「サマーソニック」に出演するなど、さまざまな場所での演奏依頼が舞い込むが、それでも週末には横浜の郊外から2時間かけて車で新宿までやってくるという。Kentaさんは「新宿の路上ライブがいちばんしっくりくる。ニューヨークのストリートと新宿の路上が持つ空気感はすごく近いように思う。パフォーマンスや芸術、音楽に対して寛容な街という気がする」と話す一方「新宿の街の様相も変わりつつあり、路上ライブもそのうちできなくなるかもしれない。それまではこのスタイルで表現し続けていければ」と話している。

 3月17日、再開発が進むエリア新宿駅東南口付近で行われたライブパフォーマンスでは、「曲が出来上がってから演奏できるようになるまでに2年かかった」という自信作の「happy notes」が始まると、人だかりはそれまでの倍以上にふくらんだ。演奏が終わると、Kentaさんに握手を求める中年男性の姿や、デジカメを手に写真を撮る訪日外国人旅行者の姿も見られ、通りがかりにそのライブの様子をカメラに収めていた女性は「いつも街を歩いていて感じるままに写真を撮っているが、通りがかりに音更さんのもつ独特の強いエネルギー源みたいなものに魅かれ、思わずカメラを向けた」と話してくれた。(写真提供=mkygさん)

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