新宿のフォトグラファーズギャラリーとクラフォトギャラリー(新宿区新宿2、TEL 03-5368-2631)の2会場で6月26日より、シニギワ企画展「沈黙の測定」が開催される。
シニギワは、詩人・松井茂さんと音楽家・長嶌寛幸さんによるユニット。松井さんがレクチャーを行いながらパワーポイントを図示し、その音声を音源として、長嶌さんがライブ・エレクトロニクスで処理するという形式でライブなどを開いてきた。「第4回恵比寿映像祭」などにも出演。
コンクリート・ポエム(=文字やテキストが持つ、形そのものや物質性・具体性に注目し、従来の言語機能から開放した形で展開される実験的な詩)を、現代のメディア環境で批判的に検証することをテーマとしたシリーズとして計画された同展。今回は「従来のコンクリート・ポエムが、記号論的な『意味との断絶』から出発し、インターメディア的な展開を遂げたことを問い直し、認知言語学的な『身体との接続』ということを考えた」という。
松井さんは「(コンクリート・ポエムは)現状では古典的な複製技術の徒花(あだばな)的な分野として既に過去のものという認識が一般的だと思うが、録音や再生、変換や編集を現代の技術環境で再検討してみたかった」と話す。
会場では、「アナログとデジタルのハイブリッド」という製作コンセプトの基に作られたというサウンド・インスタレーションや、丸谷和史さん、渡邊淳司さん(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)らとの共作となるiPadによる作品を展示する。
同展に合わせて、詩集「沈黙の測定」(500円)も刊行する。
開催時間は12時~20時。入場無料。7月1日まで。