シネマート新宿(新宿区新宿3、TEL 03-5369-2831)で7月9日、映画「真夏の夜の夢」公開を記念した試写会とイベント「琉球ナイト」が開催された。
「真夏の夜の夢」は、「ナビィの恋」「ホテル・ハイビスカス」を手がけた中江裕司監督の作品。沖縄を舞台に、シェイクスピアの祝祭劇「真夏の夜の夢」を描く。人間と小さな島の守り神、精霊(キムジン)が織りなす「幸福」に満ちた物語。
試写会前には、三味線を手にした照屋政雄さんと月のかぶりものをかぶった黒子が登場し、沖縄民謡を披露。沖縄弁のあいさつで会場を盛り上げた。照屋さんは「真夏の夜の夢」では船長役、「ホテル・ハイビスカス」では父ちゃん役を演じた、沖縄を代表する民謡歌手。上映後には、中江監督とともにトーク&ミニライブを行った。
照屋さんは「キジムンとは、ガジュマルの木に宿る精。戦前はたくさん見かけたが、戦後は見なくなってしまった。キジムンが変わったのではなく、沖縄の人たちの気持ちが変わったのかも」と話し、中江監督は「ウチナー(沖縄)の魂が失われてしまうと思い、この作品を作った」と語った。
ミニライブでは、照屋さんが「チョンチョンキジムナー」ほか数曲を演奏し、会場からは自然と手拍子が沸き起こった。来場者に両手を頭の上で左右に振り楽しい気持ちを体で表現するという「カチャーシー」を教えると、会場総立ちで演奏に合わせて踊り、ラストには中江監督が舞台上に観客を引き上げるなどして大いに盛り上がった。
同作品は、「新宿エイサーまつり」(今月25日)や、伊勢丹新宿店での物産展「大沖縄展」(同22日~27日)と連動し、7月25日より同館ほか全国で公開される。