新宿に昨年12月1日にオープンした、八丈島の郷土料理を提供する「八丈島居酒屋 こっこめ」(新宿区新宿2、TEL 03-3358-4623)が、幅広い年代の客層から人気を集めている。
店内は、以前割烹(かっぽう)だった内装をそのまま生かし、「木の温もりを感じるレトロな雰囲気」(店主の立花マリさん)でまとめた。店舗面積は4.92坪で、席数はカウンターのみ10席。新宿のビル開発が進む中、「思い出横丁」「新宿花園ゴールデン街」と並んで昭和の面影をそのまま残す「新宿2丁目・新千鳥街」に赤ちょうちんをともす。店名は八丈島の町の鳥に選定されている、ツグミ科の鳥「アカコッコ」からとった。島の人々は、国の天然記念物にも指定されているアカコッコのことを「こっこめ」と呼ぶという。
メーン料理は、「においがマイルドで初心者でも食べやすい」(立花さん)八丈島産の「くさや」(700円)、メタボリック予防にいいとされる「明日葉(あしたば)てんぷら」(650円)、ワサビでなくカラシで食べる「島寿司」(700円)など。ドリンクは「情け嶋(麦)」(500円)、「情け嶋 麦冠」(600円)、「八重椿(芋麦)」(500円)ほか、八丈島の隣にある青ヶ島焼酎「青酎」など各種取りそろえる。客単価は2,800円~。
「人気メニュー」(同)は「いもつき(八丈島風ポテトサラダ)」(700円)、「くさやピザトースト」(600円)、「明日葉うどん」(680円)など。ドリンクは「日替わり八丈島焼酎(400円)、「あしたば茶ハイ(400円)、「芋情け嶋」(600円)がよく出るという。
ターゲットは、20代半ば以上で「焼酎や一人飲みが好きな人」(同)。利用客からは「都会では近隣へのにおいが気になって焼けない『くさや』が食べられてうれしい。珍しい焼酎もいろいろ飲めて楽しい」という声が寄せられている。
同店は、新宿花園ゴールデン街にある「BARたちばな診察室」の姉妹店としてオープンした。立花さんは2年前に初めて八丈島を訪れた際、その魅力に取りつかれた。いつか新宿で八丈島の店を出したいと思い、物件を探し続け「新宿花園ゴールデン街」と似た雰囲気の「新千鳥街」の物件にたどり着いた。「新宿と八丈島が好きなので、その両方を組み合わせてみたかった」(同)。
立花さんは「食事をした後、姉妹店のコスプレナースバーへ、はしごする常連客も多い。一人で気軽に立ち寄れる『隠れ家的居酒屋』になれば」と話す。「新宿と八丈島を結ぶ親善大使的な店として、同じ東京都でありながらあまり知られていない、八丈島の酒とさかなの魅力を多くの人に知ってもらいたい」とも。今後は、周年記念パーティーや八丈島観光ツアーなども企画していく予定。
営業時間は、月曜~木曜=18時~翌3時、金曜・土曜・祝前日=18時~翌4時。日曜・祝日定休(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休み。大型連休中は営業)。