社会にセクシュアルマイノリティーの可視化と共生を訴えるデモ行進「東京プライドパレード」が8月11日に代々木公園~渋谷周辺で行われたのに続き、新宿2丁目の仲通りでは翌12日に「東京レインボー祭り」が開催された。同イベントは「2丁目」で飲食業などを営むさまざまな人たちが中心となって行われたもので、来場者は各々の性的趣向を乗り越えて一緒に楽しんだ。
今年から「東京プライドパレード」が国土交通省の政策である「ヴィジット・ジャパン・キャンペーン」のロゴ使用を承認されたこともあり、仲通りを埋め尽くすほどの観客に混じって、外国人旅行客の姿が例年より目立っていた。
イベントが佳境に入ると、各飲食店のママやマスター、スタッフ、常連客の「オトコ」たちが酒樽を御輿に見立てて町内を練り歩き、ゴールドやラメで飾られた華麗な衣装をまとった出演者たちが得意の歌やダンスを披露。歌手の平山みきさんのライブや、東京都公認大道芸人のエスムラルダさんのドラァグクイーン・パフォーマンスなども行われた。「新虹」というグループはエイサーを披露し観客が一体となって踊り続けた。
終盤には先の参議院選に出馬した尾辻かな子さん(民主党公認候補)がステージに登壇。観客からの熱い応援の声に「2丁目最高!」と涙混じりに叫んだ。エンディングでは7色の風船が空へと放たれ、今年で8回目となった同イベントは幕を閉じた。
新宿2丁目振興会の福島会長は「お祭りで出会った人々が、今年の様子を振り返ったり写真を交換したりする場として、2丁目に訪れることが多くなっている」と話す。「2丁目はお店1軒1軒がコミュニティーであり、ママやマスターとお客様は商売上の関係を超え、友達として、同志として、親密な関係を築いている。この場所は、セクシャルマイノリティーの人が自己肯定というハードな作業を行う上で、大切な場として機能している。そういった見地からも同イベントの開催は重要なものと考えている」(福島さん)。