暮らす・働く

“かわいい系”より“おもしろい系”? 珍しい生き物のいる銭湯「福の湯」

ミーアキャットやジーベンロックナガクビガメ、カブトガニなど15種類の“珍怪生物”がお出迎え

ミーアキャットやジーベンロックナガクビガメ、カブトガニなど15種類の“珍怪生物”がお出迎え

  • 0

  •  

 高田馬場にある1949(昭和24)年創業の銭湯「福の湯」(新宿区高田馬場4、TEL 03-3362-0898)は、フロントでさまざまな珍しい生き物を飼育・展示している。

「福の湯」のフロント。生き物に話しかける常連さんも多いとか

[広告]

 「子どもの頃、(建て直す前の)店舗でワニを飼っていた。口に縄を付けて店の中で散歩させていたのを覚えている」と話すのは、3代目のご主人、渡邊浩則さん。15年ほど前に金魚とアマガエルを飼い始めたが、カエルの餌を探してペットショップや専門店などを回るうちに、タランチュラやサソリなど、「映画の世界でしか見たことがなかった」珍しい生き物の虜になっていった。

 飼育方法は店で聞いたり本を読んで調べていく。好みを知っている行きつけの店からは、“かわいい系”より“おもしろい系”の生き物を薦められるという。渡邊さんはそれらを「珍怪生物」と呼んでいる。

 あくまで個人的な趣味であり、「お客さんの好みに合わせて飼っているものは一つもない」と話す渡邊さん。普段あまり間近で見る機会のない生き物ばかりのためか、見知らぬ客同士、生き物の話題でコミュニケーションが生まれることも。

 現在飼育しているのは、ミーアキャットやフクロモモンガ、カブトガニ、グソクムシなど全部で15種類。増えていく水槽に、ご家族は少しあきれ気味のようだ。「でもスペースがないので、もうこれ以上は置けないから」と言いつつも、「今は別々に飼っている雄雌のミーアキャットをつがいにして、空いた場所でまた何か飼おうかな、とか考えちゃう」と渡邊さんは笑う。

 都内の銭湯は、1968(昭和43)年の2687軒がピークで、2015年4月現在で約650軒となった。渡邊さんも「銭湯に行かなくなった子どもが親世代になった。生き物をきっかけにして、今の子どもたちに銭湯というものを知ってもらえたらいいのだが」と話す。

 「福の湯」の営業時間は15時30分~25時。お湯は軟水風呂で、ジェットバスのほか、薬湯も。月曜休業。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース