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新宿に「草間彌生美術館」 草間さん終生の念願、世界平和と人間愛伝える

「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」2017年 ©YAYOI KUSAMA

「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」2017年 ©YAYOI KUSAMA

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 早稲田エリアに前衛芸術家・草間彌生さんの作品、関連資料を展示する「草間彌生美術館」(新宿区弁天町)が開館して1カ月がたった。

「わが永遠の魂」16点を展示する「草間彌生美術館」3階ギャラリーの様子 ©YAYOI KUSAMA

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 草間さんは1929(昭和4)年長野県松本生まれ。幼少期から幻視・幻聴を体験し、網目模様や水玉をモチーフに絵画の制作を始めた。これまで世界各地の美術館で展覧会を開催し、西欧諸国での大規模回顧展や、中南米、アジア巡回ツアーでも多大な反響と動員数を記録した。

 同館は地上5階、地下1階で年2回の展覧会で草間さんのコレクションを紹介する。現在は「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」と題した開館記念展を行う。

 3階に展示する鮮やかな色彩のアクリル絵画「わが永遠の魂」は、現時点で530点を超える最大の作品シリーズだといい、その中から草間さんが厳選した未公開作品を含む16点を展示する。

 2階は、F100号のキャンバスにフリーハンドで描いたドローイングをシルクスクリーン技法で版画にした連作「愛はとこしえ」50点から27点を展示。草間さんの代表的な要素に加え、宇宙人のようなユーモラスなキャラクターなど楽しげな具象イメージにも出合えるという。

 同展のために制作された最新の、鏡を使ったミラールームと呼ばれる体感型のインスタレーション作品「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」や、新作のカボチャの立体作品「Starry Pumpkin」も合わせて披露する。

 「作家自身の意思に基づいた個人美術館が恒常的な活動を開始したのは、前衛芸術家としての軌跡を理解し、思想に触れられる貴重な機会」と館長の建畠晢さん。

 草間さんは美術館開館を「終生の念願」と話し、「私の愛する人々や、世界平和を望むすべての人々へ、畏敬の念をより一層込めて私は人生のおしまいの日までこれからも闘い続ける。その強い願いを伝えたいと思いこの美術館を建てた」と話した。

 開館時間は11時~17時(1日4回各90分の入れ替え制)。月曜~水曜休館。各回定員70人。入館料は、一般=1,000円、小中高生=600円。チケットは公式サイトで事前に購入が必要。 詳細はホームページで確認できる。

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