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代々木で理容機器メーカーが理容室の写真展 懐かしい原風景通し魅力伝える

「店の孫たちも遊びに来てにぎやかだった」(林さん)撮影。30年前に購入したという同社の理容椅子も写る

「店の孫たちも遊びに来てにぎやかだった」(林さん)撮影。30年前に購入したという同社の理容椅子も写る

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 「ニッポンの『床屋』原風景」展が10月3日、「TB-SQUARE tokyo」(渋谷区代々木1)1階で始まる。主催はタカラベルモント(大阪市)。

写真家の林朋彦さん

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 同社は理容室・美容室の椅子など業務用設備機器の製造、販売を手がけるメーカーで、1921(大正10)年に創業し、昨年100周年を迎えた。少子高齢化、人口減、後継者不足などにより減少傾向にある理容室業界を盛り上げたいと、今回初めて一般客に向けたイベントを企画し、10月8日の頭髪記念日に合わせ同社のショールームで行う。

 写真家の林朋彦さんが日本全国を旅しながら撮影し、2015(平成27)年から2018(平成30)年にかけて発表した写真集「東海道中床屋ぞめき」「トコヤ・ロード」(風人社)の中から、14点を展示する。社内の本棚に眠っていた写真集を偶然見つけたという同社広報室の石川由紀子さんは「幼い頃、親についていった理容室の風景がそのままに写っていて、そこにいた人たちの気配や声が一瞬にしてよみがえってきて感動した。新型コロナによってコミュニティーが分断されてしまった今、地域に密着して人々をつないできた理容室の写真展を手がけることは、業界にも社会にも意味あることだと感じ、挟んであった名刺を頼りに林さんに連絡を取った」と話す。

 林さんが1軒ずつ回って声をかけ撮影した。「無意識に理容室ばかり撮影していたのは、人と物が行き交う街道沿いで商売する人、そこに集う人の営みに心引かれたから、と林さんに聞いた。日本を代表する写真家、木村伊兵衛の写真が飾ってあった店では、林さんの問いかけに店主が『木村伊兵衛の髪を切っていた』と答えるなど、どの写真にもエピソードが詰まっている」と石川さん。

 「ただ髪を切るだけでなくコミュニティーの場でもある理容室は、古き良き姿を今にとどめる日本が誇る文化だと感じる。どこか懐かしい写真を通して、その魅力を若い人にも再発見してもらえたら」と意気込む。

 3日20時から林さんが撮影秘話、裏話を紹介するインスタライブも行う。司会はヘアサロン、理美容師を応援する月刊誌専門誌「Men's PREPPY」編集長の佐々木浩也さん。

 開催時間は9時~17時30分。土曜・日曜・祝日休み。入場無料。10月14日まで。

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