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新宿で寺山修司原作映画「あゝ、荒野」公開 2021年の新宿舞台に

映画「あゝ、荒野」より。制作・配給:スターサンズ。©2017「あゝ、荒野」フィルムパートナーズ

映画「あゝ、荒野」より。制作・配給:スターサンズ。©2017「あゝ、荒野」フィルムパートナーズ

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 新宿の映画館「新宿ピカデリー」で現在、映画「あゝ、荒野」前篇が公開されている。監督は岸善幸さん。

新宿モア4番街で「デンジャラス・ドックス」とコラボして行われた路上上映イベントの様子

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 1960(昭和35)年代後半、演劇や映画、文学などの多方面で活動した寺山修司さんが唯一残した同名の長編小説を原作にした同作品。「二重生活」などの作品を手掛けた岸監督が、東京オリンピックが終わった近未来の新宿を舞台に新たな物語として製作した。

 主演は菅田将暉さんとヤン・イクチュンさん。幼い頃、母に捨てられた「沢村新次」と、吃音と赤面対人恐怖症に悩みながらも自分のあるべき姿を追い求める「二木建二」が新宿で出会い、心の空白を埋めようとプロボクサーを目指す。

 原作の舞台は1966(昭和41)年の新宿。岸監督は同作を近未来の2021年に設定にしていることについて「原作を読み返してみると、かなり現代に通じるものを感じる。東京オリンピックが終わって表出するかもしれない不安とか断絶のようなものを、祭りの後のわれわれを想像しながら映像化したいなと、そのための2021年だった」と話す。

公開に先駆け9月21日には、新宿モア4番街で特別イベント「あゝ、デンジャラス祭り」を行った。短編ドキュメンタリー3本を一つのプログラムとして一挙に上映する企画「デンジャラス・ドックス」とのコラボで、路上に5メートルの大型ビジョンを設置。同作のダイジェスト特別映像と、同上映企画から「渦」の本編を上映した。

 同イベント担当の柴亮輔さんは「それぞれ2回ずつ上映、すべて満席で延べ120人が鑑賞した。用意した椅子に座った参加者が、着用したワイヤレスヘッドホンで爆音上映を楽しむ間、通行人の多くも取り巻くように足を止め映像を見てくださった」と話す。

 同作品は2部作連続公開で、各2週間限定上映。10月21日から後篇を上映する。

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