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神田川合流する新宿・妙正寺川に反物たなびく「染の小道」 店先に手染めのれんも

妙正寺川に架けられた色とりどりの反物

妙正寺川に架けられた色とりどりの反物

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 都内でも染色業者が数多く集まる染の街、新宿区落合・中井で2月26日~28日の3日間、恒例となっている冬のイベント「染の小道」が開催される。

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 同イベントは2009年にギャラリー、染色工房、湯のし店など地元有志が始めて今年で8回目となる。昨年は3日間で約1万2200人が訪れたという。1回目から店舗として参加している「吉澤湯のし加工所」を営む実行委員会代表の吉澤 敏さんは「新宿区の地場産業である染色をテーマとしているが、落合・中井の風物詩としてすっかり定着した。地域住民、商店街、染色業者、のれん作家など出展者も幅広いので、来場した方が一日中楽しめる」と魅力を語る。

 メーンの一つは妙正寺川約300メートルにわたって反物が架かる「川のギャラリー」。これは昭和30年代まで行われていた染めた反物の糊(のり)を水洗いする作業「水元(みずもと)」の風景を再現したもの。場所は寺斉(じさい)橋を挟んだ両側で、小学校の授業や地域の祭りで染めた「百人染め」の反物も展示する。もう一つは「道のギャラリー」。染色作家が「友禅」「紅型(びんがた)」「藍染め」などの染色手法を使って思い思いに染め上げたのれん100枚が、抽選で選ばれた商店街の店舗の軒先を飾る。

 「今年は川・道のギャラリーの充実はもちろん、林芙美子記念館などでの染色作品展示会や染色体験なども数多く用意した。染色無料体験の中では落合第5小学校で行われる型染めによる『千人染め』がお勧め」と吉澤さん。

 さらに地元ゆかりの音楽家による「音の小道」(スワンベーカリー)や東京造形大学の学生による「造形の小道」、東京都工芸染色共同組合による「匠(たくみ)の小道」なども。法華宗獅子吼(ししく)会で、はきものファッションショーが行われる。地元の参加店舗は、それぞれ工夫を凝らした当日限定のサービスを提供する。

 期間中、中井駅周辺で街歩きに便利なエリアマップを掲載した冊子を配布。今年はのれんの展示場所を染色技法ごとに「藍の小道」「紅型の小道」「型絵染の小道」「絹の小道(友禅染)」などに分けた。マップには、のれんの名前や染色技法、展示場所などを掲載する。のれんの値段や買い取り方法も。

 川のギャラリーは10時~17時。雨天中止。道のギャラリーは各店舗の営業時間内。音の小道は2月28日11時~16時を予定。千人染めは27日・28日の11時~15時。

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